セイバーメトリクス用語集
野球統計・セイバーメトリクス指標の解説。OPS・wOBA・wRC+・FIP・WPA・RE24など、当サイトで使う指標の定義・計算式・基準値・使いどころをまとめて掲載。
打撃指標
打者の攻撃力・出塁力・長打力を測る指標。
- AVG(打率) - 打数に対する安打の割合。最も基本的な打撃指標だが、四球や長打の価値を反映しない。
- OBP(出塁率) - 打席に対して出塁(安打・四球・死球)した割合。打率より得点との相関が高い。
- SLG(長打率) - 打数あたりの塁打数。単打を1、二塁打を2、三塁打を3、本塁打を4として長打力を測る。
- OPS(出塁率+長打率) - 出塁率と長打率を合計した指標。打者の総合的な攻撃力を簡潔に示す。
- ISO(純長打率) - 長打力のみを抽出した指標。長打率から打率を引いた値で、単打を除いた進塁能力を示す。
- IsoD(選球眼) - 四球・死球による出塁能力を抽出した指標。出塁率から打率を引いた値で、選球眼の良さを示す。
- wOBA(加重出塁率) - 各打撃結果(単打・二塁打・四球など)に得点への貢献度に応じた重みを付けて算出。出塁率と同じスケールで、より正確に攻撃力を測定する。
- wRC+(調整済み得点創出) - リーグ平均を100として、打者が生み出した得点を相対評価する指標。球場補正を含むため異なる本拠地の選手も比較できる。
- wRAA(加重平均対比得点) - リーグ平均的な打者と比べて、何点多く(少なく)得点を生み出したかを示す。0が平均、正の値が平均以上。
- BB%(四球率) - 打席に対する四球の割合。選球眼の良さを示す。
- K%(三振率) - 打席に対する三振の割合。低いほどコンタクト能力が高い。
- BABIP(インプレー打率) - フェアゾーンに飛んだ打球(本塁打を除く)が安打になる割合。運の影響を受けやすく、極端な値は長続きしにくい。投手側では被安打の運要素を測る。
投手指標
投手の失点抑止力・奪三振力・制球力を測る指標。
- ERA(防御率) - 9イニングあたりの自責点。投手の基本指標だが、守備や運の影響を受ける。
- RA9(9回あたり失点) - 9イニングあたりの失点数。自責点のみを扱う防御率と異なり、失策絡みを含む全失点で評価する。守備込みの実際の失点抑止力を表す。
- WHIP(被出塁率) - 1イニングあたりに許した走者数(被安打+与四球)。走者を出さない安定感を示す。
- K/9(9回あたり奪三振) - 9イニングあたりの奪三振数。空振りを奪う支配力を示す。
- BB/9(9回あたり与四球) - 9イニングあたりの与四球数。制球力を示す。
- K/BB(奪三振/与四球比) - 奪三振を与四球で割った値。奪三振力と制球力のバランス=支配力を示す。
- K-BB%(奪三振率-与四球率) - 対打者比の奪三振率から与四球率を引いた値。三振を奪い四球を出さない能力を1指標にまとめたもので、防御率より安定し将来予測に優れる。
- FIP(守備非依存投球) - 投手が直接コントロールできる結果(奪三振・与四球・被本塁打)のみで評価。守備の影響を排除した真の投球力を示し、防御率との乖離は運や守備の差を示唆する。
- xFIP(期待FIP) - 被本塁打率をリーグ平均に置き換えたFIP。被本塁打は運の影響が大きいため、より安定した評価ができる。
- ERA+(調整済み防御率) - リーグ平均を100として防御率を評価する指標。球場補正を含み、値が高いほど優秀。
- LOB%(残塁率) - 出塁を許した走者のうち、得点させずに残塁させた割合。極端に高い・低い値は運や救援陣の影響を含むことが多く、翌年はリーグ平均へ近づきやすい。
- DIPS(守備から独立した投球評価) - インプレー打球が安打になるかは守備と運の影響が大きい、という考えに基づき、投手自身が制御できる奪三振・与四球・被本塁打で投手を評価する考え方の総称。FIPやxFIPはこの考え方から生まれた指標。
貢献度指標
1プレーごとの状況を踏まえ、勝利や得点への貢献を数値化する指標。
- WPA(勝利確率付加) - 各プレーが自軍の勝利確率をどれだけ動かしたかの合計。得点だけでなく「勝敗を分ける場面での活躍」を評価できる。
- RE24(得点期待値ベース貢献) - 走者×アウトの24状況ごとの得点期待値の変化を積み上げた指標。状況に応じた得点貢献を測る。
- LWTS(線形加重) - 打撃結果ごとの得点価値を重み付けして合計した指標。単打・二塁打・本塁打などの平均的な得点価値をもとに算出する。wOBAやRE24の基礎になる考え方。
- WAR(代替選手比勝利貢献) - 代替可能な控え選手と比べて、チームの勝利にどれだけ貢献したかを打撃・走塁・守備・投球を統合して示す総合指標。セイバーメトリクスの代表格として広く知られる。
- LI(レバレッジ) - その打席の「重要度」を数値化した指標。試合終盤の接戦ほど高く、平均を1.0とする。高レバレッジ(2.0超)での成績はクラッチ評価に使われる。
得点創出指標
打者がチームにもたらした得点数を推定する指標。
- RC(得点創出数) - ビル・ジェームズが考案した、打者がチームにもたらした得点を推定する指標。出塁と進塁の能力を組み合わせて算出する。
- RC27(27アウトあたり得点創出) - RCを27アウト(1試合相当)あたりに換算した指標。その打者9人で打線を組んだ場合の1試合の得点をイメージできる。
- XR(推定得点) - RCの改良版。回帰分析で各打撃イベントの得点価値を精密に定め、得点との相関を高めた指標。
- GPA(総合生産平均) - OPSを打率と同じスケールに正規化した指標。出塁率を重めに評価する。
状況・試合指標
球場・試合展開・勝率など、試合単位の環境を評価する指標。
- パークファクター(球場補正係数) - 各球場が打撃成績に与える影響を数値化した指標。1.00を平均とし、高ければ打者有利、低ければ投手有利な球場を示す。wRC+やERA+の球場補正に用いる。
- 得点期待値(RE) - 走者×アウトの各状況から、その回の終わりまでに平均何点入るかを表した期待値。RE24やwOBA係数の土台となる。
- 勝利確率(WP) - 得点差・イニング・走者状況などから、その局面で勝つ確率を推定した値。WPAの土台であり、試合展開の可視化に用いる。
- Pythagenpat(ピタゴラス期待勝率) - 得点・失点から理論上の期待勝率を求めるピタゴラス勝率の改良版。指数を得点環境に応じて動的に決めることで精度を高める。試合予測や順位予想に用いる。